配偶者ビザを取得する3つのケースとは?COE・在留資格変更・更新を行政書士が解説

配偶者ビザの申請には、大きく分けて3つの方法があります。
1つ目は、外国人配偶者が海外に居住しており、これから日本へ呼び寄せるために申請するケースです。2つ目は、外国人がすでに何らかの在留資格を有して日本に滞在しており、配偶者ビザへ変更するケースで、引き続き日本に滞在するための申請です。3つ目は、現在配偶者ビザを有している方が、引き続き日本に在留するために在留期間の更新許可申請を行うケースです。
それぞれ申請の対象者や手続の内容が異なるため、ご自身がどのケースに該当するのかを正しく把握することが重要です。
今回の記事では、この3つの配偶者ビザの申請方法について、それぞれの特徴や手続の流れ、注意点を行政書士が分かりやすく解説します。
ケース① 海外に住む配偶者を日本へ呼び寄せる(COE)
在留資格認定証明書交付申請(COE)とは?
まず、外国人配偶者が海外に居住しており、日本へ呼び寄せる場合には、原則として「在留資格認定証明書(COE)」の交付を受けるため、出入国在留管理局へ申請を行う必要があります。
COEについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。在留資格認定証明書(COE)交付申請とは?|取得から入国までの流れを解説 – 京都帰化・ビザ申請サポート
申請の審査では、入管が「日本人の配偶者等」の在留資格に該当するかを審査し、要件を満たしていると判断された場合にCOEが交付されます。
COEが交付されたら、その原本又は電子データを海外にいる外国人配偶者へ送り、現地の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)の申請を行います。査証が発給されると、その査証が貼付されたパスポートを持って日本へ渡航し、空港などの上陸港で提示することで、上陸審査を受けることができます。
つまり、海外から外国人配偶者を日本へ呼び寄せる場合は、①「COEの取得」→②「査証(ビザ)の取得」→③「日本への入国」という流れで手続が進みます。そのため、配偶者ビザで日本へ入国するためには、まずCOEを取得することが重要となります。
どんな人が対象か
この申請は、すでに婚姻手続が完了し、法的に夫婦となっている外国人配偶者が海外に居住しており、これから日本へ入国して夫婦生活を送る予定の方が対象となります。
例えば、海外で婚姻手続を行い、日本人配偶者が日本で生活しているため外国人配偶者を日本へ呼び寄せる場合や、夫婦がともに海外に居住しており、日本で生活を始めるために夫婦そろって来日する場合などがこれに該当します。
なお、外国人配偶者がすでに留学や就労などの在留資格で日本に滞在している場合は、COEの申請ではなく、後述する「在留資格変更許可申請」の対象となります。
査証(ビザ)とのちがい
「ビザ」という言葉は、一般的には「在留資格」を指す意味で使われることが多くあります。
これは、「在留資格」という言葉が一般の方にはあまり馴染みがない一方で、「ビザ」という言葉の方が広く知られているためです。そのため、行政書士や入管実務の現場でも、依頼者との会話やホームページなどでは、分かりやすさを重視して「配偶者ビザ」「永住ビザ」といった表現が用いられることが少なくありません。
一方で、本来「ビザ」とは「査証」を意味します。査証は、海外にある日本大使館や総領事館が発給するものであり、日本への渡航を希望する外国人が上陸申請を行うための推薦状のような役割を果たします。
そのため、法律上・実務上は「在留資格」と「査証(ビザ)」は異なる概念です。もっとも、入管業務に携わる人は前後の文脈から「在留資格」を指しているのか、「査証」を指しているのかを判断して会話をしています。
本記事でも、一般的に広く使われている表現に合わせ、「配偶者ビザ」という言葉を用いて解説します。
ケース② 日本にいる外国人が配偶者ビザへ変更する
在留資格変更許可申請は、外国人がすでに何らかの在留資格を有して日本に滞在しており、その在留資格から「日本人の配偶者等」へ変更する場合に行う申請です。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」「留学」「特定技能」などの在留資格で日本に滞在している外国人が、日本人と結婚し、配偶者ビザへ変更する場合がこれに該当します。
在留資格変更許可申請の流れ
認定申請(COE)の場合とは異なり、在留資格変更許可申請では、COEを海外にいる外国人配偶者へ送付し、日本大使館・総領事館で査証(ビザ)の発給を受けるといった手続は必要ありません。
婚姻手続が完了した後、在留資格変更許可申請書をはじめ、婚姻の実態や夫婦としての生活状況を立証する資料などの必要書類を準備し、外国人の住居地を管轄する出入国在留管理局へ提出します。
その後、入管において婚姻の真実性や生計維持能力などが審査され、在留資格該当性および許可要件を満たしていると判断された場合には、「日本人の配偶者等」への在留資格変更が許可されます。
短期滞在からの変更は原則認められないこと
「日本人の配偶者等」などの身分系の在留資格については、原則として在留資格認定証明書(COE)を取得してから入国する流れとなりますが、一定の場合には「短期滞在」から直接、在留資格変更許可申請を行うことが認められる場合があります。
その根拠となるのが、入管法第20条第3項です。同条項では、在留資格変更について「やむを得ない特別の事情」がある場合に限り、短期滞在からの変更を許可することができるとされています。
例えば、外国人配偶者が妊娠中であり、一度帰国してからCOEを取得して再入国することが身体的・精神的な負担となる場合などが考えられます。
もっとも、「やむを得ない特別の事情」について法律上明確な基準が定められているわけではなく、個々の事情を踏まえて判断されます。そのため、短期滞在からの変更を希望する場合には、事前に入管へ相談するなど、事情に応じた対応が重要です。
単に「変更したい」という希望を伝えるだけではなく、なぜCOEを取得して一度帰国することが困難なのか、その事情を具体的に説明し、必要な資料によって立証することが重要となります。
なぜ原則短期滞在から変更許可申請が認められないのか
短期滞在から他の在留資格への変更が原則として認められていない理由は、COEによる事前審査を経ずに、実質的に外国人を日本へ呼び寄せることが可能となってしまうためです。
本来、日本で長期間生活する場合は、海外でCOEの交付を受け、査証を取得した上で入国する流れとなります。そのため、短期滞在からの変更は「やむを得ない特別の事情」がある場合に限り、例外的に認められています。
ケース③ 配偶者ビザの更新
在留期間更新許可申請は、在留資格認定証明書交付申請(COE)または在留資格変更許可申請により、すでに「日本人の配偶者等」の在留資格を取得している外国人が、引き続き日本で在留するために行う申請です。
COEや在留資格変更許可申請では、婚姻の真実性や夫婦としての生活の実態、生計維持能力などについて審査が行われています。そのため、更新申請では、婚姻関係が継続していることや在留状況に特段の問題がなければ、認定申請や変更申請と比較して審査の負担は一般的に軽いといえます。
もっとも、更新申請だからといって必ず許可されるわけではありません。更新申請では、「相当性」が認められるかどうかも審査されます。そのため、税金や社会保険料の納付状況、法令違反の有無など、日頃からコンプライアンスを遵守することが重要です。
「相当性」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。「相当性」とは?在留資格該当性・上陸許可基準を満たしても不許可になる理由 – 京都帰化・ビザ申請サポート
まとめ
配偶者ビザの申請には、大きく分けて「在留資格認定証明書交付申請(COE)」「在留資格変更許可申請」「在留期間更新許可申請」の3つがあります。
外国人配偶者が海外に居住しており、これから日本へ呼び寄せる場合には、まずCOEの交付を受け、その後に査証(ビザ)を取得して日本へ入国する流れとなります。
一方で、すでに留学や就労などの在留資格で日本に滞在している外国人が、日本人と結婚して日本で生活を続ける場合には、在留資格変更許可申請を行うことになります。また、すでに配偶者ビザを取得して日本で生活している方が、引き続き在留を希望する場合には、在留期間更新許可申請が必要です。
どの申請方法であっても、単に婚姻しているという事実だけではなく、婚姻の真実性や夫婦としての生活実態、生計維持能力などが審査されます。また、更新申請では税金や社会保険料の納付状況など、日頃の在留状況も重要になります。
リヒト行政書士事務所では、配偶者ビザの申請について、必要書類の収集から理由書作成、入管への申請までサポートしております。ぜひお気軽にご相談ください。
⇩
-
配偶者ビザで不許可になりやすい事例|行政書士が審査のポイントを解説
記事がありません