帰化申請と永住許可申請を比較|申請数・許可数・許可率の違い

帰化申請と永住許可申請を比較|申請数・許可数・許可率の違い

帰化許可申請と永住許可申請は、いずれも日本で長期間生活したい外国人にとって代表的な選択肢です。どちらも在留資格の更新が不要となるため、日本で将来にわたって暮らしたいと考える外国人の多くが検討しています。

しかし、「実際には年間どれくらいの人が申請しているのか」「どれくらいの人が許可を受けているのか」といった実態は、あまり知られていません。

そこで本記事では、帰化申請と永住許可申請について、申請数・許可数・許可率のデータを比較し、それぞれの特徴や違いを分かりやすく解説します。

帰化申請と永住許可申請の申請数・許可数の比較

まずは、だいたいの年間の申請数・許可数の目安を比較してみましょう。

帰化申請

年間申請数・・・約9,000〜11,000件程度
年間許可数・・・約8,000〜9,000人程度

年度によって変動はありますが、許可率はおおむね✅8~9割前後で推移していると考えられます。

永住許可申請

年間申請数・・・約55,000〜65,000件程度
年間許可数・・・約33,000件程度

※法務省および出入国在留管理庁統計等をもとにした目安
※帰化は「人」、永住は「件」で公表されています。

このように、永住申請は帰化申請の約6倍程度の申請数があります

年間申請数と年間許可数を単純に比較すると、永住許可は帰化申請よりも許可数の割合が低い傾向にあります。目安としては、許可率は年間おおむね✅5~6割程度ですが、この割合は年間の申請件数と許可件数を比較したものであり、実際の許可率とは異なります。

永住許可の方が申請数が多い理由

永住の方が申請数が多い理由として、以下が挙げられます。

① 国籍を変更する必要がない

帰化は日本国籍を取得する手続きのため、母国の国籍を失うことになります。一方、永住は国籍を維持したまま日本に無期限で在留できます。そのため、心理的ハードルが低く、永住を選択する方が多い傾向にあります。

② 手続きの負担が比較的少ない

帰化は戸籍の作成や身分関係の詳細な審査が行われますが、永住は国籍変更を伴わないため、帰化に比べて提出書類や審査内容が比較的シンプルなケースもあります。

帰化は申請数は少ないが、許可率は高い傾向

帰化申請は申請数こそ少ないものの、

  • 申請前に法務局で事前相談が行われること
  • 要件を満たした状態で申請するケースが多いこと

などから、許可率は比較的高い傾向にあります。

一方、永住許可申請は申請数が多く、

  • 年金や健康保険料の未納
  • 住民税の未納・滞納
  • 収入の不安定さ

などの理由で不許可となるケースも少なくありません。また、近年は永住許可の審査が厳格化しているといわれており、安定した収入や納税状況、公的義務の履行状況がこれまで以上に重視される傾向があります。

さらに、帰化申請と永住許可申請では、申請手続きや審査方法にも違いがあります。

帰化申請では、申請前の事前相談や申請後の面接を通じて、法務局の担当者が申請者本人と直接やり取りを行います。その過程で、申請者の状況や帰化の意思などについて確認が行われ、不足している書類や要件についても事前に指摘されることがあります。

これに対し、永住許可申請では、審査機関である地方出入国在留管理局の担当者が申請者本人と面接を行うことは通常ありません。提出された申請書類や各種証明書、公的義務の履行状況などを基に審査が行われます。

このように、帰化申請は申請前から法務局とのやり取りを重ねながら手続きを進めるのに対し、永住許可申請は提出書類を中心に審査が進められるという違いがあります。こうした審査手続の違いも、帰化申請と永住許可申請の許可率に差が生じる一因となっている可能性があります。

帰化申請・永住許可申請ともに事前準備が非常に重要です

帰化申請・永住許可申請のいずれにおいても、事前準備が許可の可否を左右するといっても過言ではありません。特に、以下のような点は審査において重要視されます。

  • 納税状況
  • 年金の加入・納付状況
  • 健康保険料の納付状況
  • 収入の安定性
  • 在留状況の適正性

これらに問題がある場合、不許可となる可能性があります。

特に注意したいのが、フリーランスや個人事業主など、国民健康保険・国民年金に加入している方です。会社員であれば給与から天引きされることが一般的ですが、自営業などの場合は、自身で納付しなければなりません。

納付を忘れて滞納したり、督促を受けたりした場合には、永住許可申請や帰化申請の審査に影響を及ぼす可能性があります。そのため、日頃から納税や社会保険料の納付状況を適切に管理しておくことが重要です。

当事務所では、帰化申請・永住許可申請の両方に対応しています

当事務所では、

  • 帰化申請
  • 永住許可申請

のいずれにも対応しております。お客様の状況を丁寧に確認し、

  • 帰化が適しているのか
  • 永住が適しているのか

も含めてご提案いたします。

どちらを選ぶべきかお悩みの方へ

帰化申請と永住許可申請は、どちらも日本で長く生活するための制度ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。

例えば、

  • 日本国籍を取得し、日本人として生活したい
  • 現在の国籍は維持したまま、日本で長期的に生活を続けたい

など、ご希望や将来設計によって最適な選択は異なります。また、現在の在留資格や日本での在留期間、ご家族の状況などによっても、どちらの手続きが適しているかは変わってきます。

そのため、「帰化の方が良い」「永住の方が良い」と一概にいえるものではなく、ご自身の希望や状況に合った制度を選択することが重要です。

まとめ

だいたいの目安ですが、申請数は帰化申請が年間約9,000~11,000件、永住許可申請が年間約55,000~65,000件と、永住許可申請の方が大幅に多い状況です。

また、年間の申請件数と許可件数を単純に比較すると、帰化申請は許可数の割合が高い一方、永住許可申請は5~6割程度にとどまる傾向が見られます。ただし、申請年と許可年は必ずしも一致しないため、これらはあくまで目安であり、実際の許可率を示すものではありません。

当事務所では、帰化申請・永住許可申請のいずれにも対応しております。お客様の状況やご希望を丁寧にお伺いし、最適な手続きをご提案いたしますので、ご検討中の方はお気軽にご相談ください。

        ⇩

リヒト行政書士事務所のホームページ

この記事を書いた人 Wrote this article

吉﨑理人

吉﨑理人 行政書士・申請取次行政書士

立命館大学法学部卒。京都市・向日市を中心に活動する行政書士です。