帰化申請で交通違反は何回まで大丈夫?行政書士がわかりやすく解説

帰化申請で交通違反は何回まで大丈夫?行政書士がわかりやすく解説

帰化申請では、交通違反歴も審査の対象となります。交通違反の内容や回数によっては、帰化許可の可否に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
「軽微な違反なら問題ないのか」「何回までなら申請できるのか」と不安に思う方も少なくありません。
この記事では、帰化申請において交通違反が審査に与える影響や、申請前に知っておきたい交通違反の目安について、行政書士が分かりやすく解説します。

帰化申請で交通違反が審査に影響する理由

帰化申請では、国籍法第5条で定められている6つの要件を満たす必要があります。そのうちの1つが「素行要件」です。
「素行要件」とは、日頃から法令を遵守し、社会の一員として適切に生活しているかを判断する要件です。具体的には、税金や年金、健康保険料などの公的義務を適切に履行しているか、犯罪歴の有無交通違反歴などが総合的に審査されます。
そのため、懲役刑や禁錮刑などの刑事処分を受けた場合はもちろん、交通違反についても、違反の内容や回数によっては「遵法精神が十分ではない」と判断され、帰化申請の審査に悪影響を及ぼす可能性があります。

どのような交通違反が帰化申請に影響する?

軽微な交通違反

  • 駐車違反
  • 割込み
  • 無灯火
  • シートベルト装着義務違反
  • 緊急車妨害

などです。
これらは比較的軽微な交通違反の例です。警察では交通違反の基礎点数一覧を公開しているため、詳しく確認したい方は参考にするとよいでしょう。なお、上記で挙げた違反はいずれも基礎点数1点の交通違反です。

重大な交通違反

  • 飲酒運転(酒酔い運転・酒気帯び運転
  • 40km/h以上の速度超過(一般道路)
  • 無免許
  • 運転妨害運転(あおり運転)
  • 救護義務違反(ひき逃げ)

などです。
これらの重大な交通違反をした場合は、帰化申請に大きな影響を及ぼす可能性があります。違反後すぐに申請すると、不許可となる可能性が高いため、一定期間が経過し、その間に交通ルールを遵守して生活している実績を積んでから申請することが望ましいでしょう。

交通違反は何回までなら帰化申請できる?

「交通違反は何回までなら大丈夫?」という疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、「○回までなら問題ない」という明確な基準は公表されていません。法務局や法務省が具体的な回数の基準を示してしまうと、「その回数までは違反しても問題ない」と誤解を招くおそれがあるためです。
もっとも、実務上は「この程度の交通違反歴であれば、一定期間経過してから申請した方が望ましい」と考えられる目安があります。

一般的な目安としては、次のように考えられます。

  • 過去5年間に軽微な交通違反が1~2回程度:帰化許可の可能性は比較的高いと考えられます。
  • ⚠️ 過去5年間に軽微な交通違反が3回程度:違反の内容や時期などを踏まえて総合的に判断されます。(特に、3回の違反が直近2年間に集中している場合は、不許可となるリスクが高まる可能性があります。)
  • 過去5年間に軽微な交通違反が4~5回以上:素行要件でマイナス評価となる可能性が高く、一定期間空けてから申請を検討した方がよいケースが多いでしょう。

一方で、40km/h以上の速度超過や飲酒運転による免許停止などの重大な交通違反については、
1回だけであっても帰化申請に大きな影響を及ぼす可能性があります。

そのため、重大な交通違反をしてしまった場合は、違反後すぐに申請するのではなく、一定期間(5年程度)が経過し、その間に交通ルールを遵守して生活している実績を積んでから申請することが望ましいでしょう。

帰化申請前に確認しておきたいポイント

運転記録証明書

運転記録証明書は、自動車安全運転センターが発行する、交通違反や行政処分の経歴を証明する書類です。
過去5年分まで取得できるため、帰化申請を予定している方は5年分を請求することをおすすめします。帰化申請では、交通違反歴について過去5年程度が審査対象となるため、事前にご自身の違反歴を確認しておくことで、申請時期の判断や準備に役立ちます。

帰化申請から許可が出るまでも油断してはならない

帰化申請をしても、許可・不許可の結果が出るまでには一般的に約1年かかります。その間も審査は継続しているため、交通違反をすると審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
万が一、帰化申請後に交通違反をしてしまった場合は、速やかに法務局の担当者へ報告しましょう。交通違反の事実を報告せず、審査中に法務局が把握した場合には、交通違反そのものだけでなく、申告しなかったことも含めてマイナスに評価され、不許可となる可能性が高まります。
帰化申請中は、交通ルールを遵守し、安全運転を心掛けることが大切です。

自転車も注意

2026年からは自転車に関する交通ルールが厳格化され、自転車の交通違反についても反則金制度(青切符)が導入されるなど、違反歴が残る仕組みとなりました。
そのため、自動車だけでなく自転車を運転する場合も交通ルールを遵守することが重要です。スマートフォンを操作しながらの運転や信号無視、一時不停止などの違反は、帰化申請においてもマイナスに評価される可能性があります。
「自転車だから大丈夫」と軽く考えず、日頃から交通ルールを守ることを心掛けましょう。

まとめ

帰化申請では、交通違反歴も素行要件の審査対象となります。軽微な交通違反であっても、短期間に繰り返している場合は不許可となるリスクが高まります。また、飲酒運転や無免許運転などの重大な交通違反については、1回であっても帰化申請に大きな影響を及ぼす可能性があります。

帰化申請を検討している方は、ご自身の交通違反歴を事前に確認したうえで、適切な申請時期を判断することが重要です。また、申請後も結果が出るまでは交通ルールを遵守し、安全運転を心掛けましょう。

「交通違反歴があるけれど帰化申請できるのだろうか」「今申請しても問題ないのか判断してほしい」といったご相談にも対応しております。帰化申請をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

        ⇩

リヒト行政書士事務所のホームページ

この記事を書いた人 Wrote this article

吉﨑理人

吉﨑理人 行政書士・申請取次行政書士

立命館大学法学部卒。京都市・向日市を中心に活動する行政書士です。